投稿日:2026年10月29日

    更新日:2026年10月29日

      DBeaverで基幹システムとkintoneを連携する方法|CSV出力の手順・自動化・注意点を解説

      DBeaverで基幹システムとkintoneを連携する方法|CSV出力の手順・自動化・注意点を解説
      • 基幹システムの取引先マスタや商品マスタと、kintoneのアプリを二重に管理していて、変更が片方にしか反映されていない

      • 基幹システムから出したCSVをExcelで開いて保存し直したら、コードの先頭の0が消えたり、文字化けしたりした

      • CSVの出力・取り込みを効率化したいが、ASTERIA WarpやCData Arcのような連携ツールを導入すべきか判断がつかない

      ―――基幹システムとkintoneを併用する中で、このようなお悩みはありませんか?

      基幹システムのマスタデータをkintone(キントーン)に取り込むと、案件管理や見積管理のアプリからルックアップで参照でき、入力の手間や表記ゆれを減らせます。

      しかし、基幹システムによっては、CSVで出力できる項目や形式が決まっており、そのままではkintoneのアプリに取り込めない場合があります。

      データベース管理ツールのDBeaver(ディービーバー)を使えば、基幹システムのデータベースに読み取り専用の権限で接続し、kintoneのフィールドに合わせたCSVを出力できます。

      無償のCommunity版でもCSV出力やタスクの保存は可能ですが、定期的な自動実行には有償版や別の連携ツールが必要です。

      この記事では、DBeaverを使って基幹システムのデータをkintone用のCSVとして出力する方法を、実際の検証手順とともに解説します。あわせて、CSVの文字コードやレコードの削除に関する注意点、ASTERIA Warp・CData Arcとの違い、具体的な活用例もご紹介します。

      DBeaver(ディービーバー)とは?|基幹システム・kintoneの間で担う役割

      DBeaverの概要

      DBeaver(ディービーバー)は、SQL Server・Oracle・PostgreSQL・MySQLなど、さまざまなデータベースに接続し、データの確認・操作ができるデータベース管理ツールです。

      DBeaverのイメージ

      SQLを使って必要なデータを抽出したり、抽出したデータをCSVファイルとして出力したりできます。オープンソースで無償の「Community版」と、有償版(Lite・Enterprise・Ultimateなど)が提供されており、この記事ではCommunity版を使用します。

      DBeaverを使った連携の全体像

      DBeaverを使った連携の全体像

      DBeaverを利用する場合、DBeaverからkintoneへ直接データを連携するわけではありません。

      今回紹介する方法では、[基幹システム → DBeaver → CSVファイル → kintone]という流れでデータを受け渡します。DBeaverが担当するのは、基幹システムのデータベースから必要なデータを抽出し、CSVファイルとして出力するところまでです。

      たとえば、基幹システムの商品マスタには多数の項目が登録されていても、kintoneの商品マスタでは「商品コード」「商品名」「単価」だけを使用するケースがあります。この場合、DBeaverで必要な列を抽出してCSVへ出力し、そのCSVをkintoneの商品マスタへ読み込みます。

      なお、kintoneと基幹システムを連携する方法には、CSVファイルのほかにも、kintone REST API、連携サービス・プラグイン、ETL/EAIツール、RPAなどがあります。

      ▼関連コラムはこちら

      kintoneと基幹システムを連携する方法5選|活用例・注意点も解説

      自社の基幹システムでDBeaverが使えるかの確認

      DBeaverを利用する前に、自社の基幹システムへ接続できる環境が整っているかを確認しておきましょう。

      特に、以下の3点を確認しておく必要があります。

      1. Community版で接続できるデータベースか:
        SQL ServerやOracleのほか、Db2やSAP HANAなど、幅広いデータベースに対応しています。接続には専用のドライバーが必要で、同梱されているものや初回接続時にダウンロードするものがあります。インターネットに接続できない環境では、事前にドライバーの入手方法を確認しておきましょう。

      2. 基幹システムへの直接接続が認められているか:
        基幹システムによっては、販売元や保守会社との契約・運用ルールにより、データベースへの直接接続やSQLの実行が制限されている場合があります。事前に接続の可否と操作範囲を確認し、認められていない場合は、基幹システムに用意されているCSV出力機能などを利用します。

      3. ODBC接続が必要な構成ではないか:
        DBeaver Community版は、主にJDBCドライバーを利用してデータベースへ接続します。DBeaver公式のODBC接続機能は有償版(Lite・Enterprise・Ultimate)で提供されているため、ODBC接続が必要な場合は、利用するエディションを確認する必要があります。

      なお、基幹システムのデータを参照するだけであれば、原則として読み取り専用の権限で接続することをおすすめします。誤操作によるデータの更新・削除を防ぐためにも、接続用ユーザーの権限は必要な範囲に限定しておきましょう。

      DBeaverでできること

      できること①:読み取り専用のユーザーで基幹システムのデータベースに接続する

      DBeaverでは、基幹システムのデータベースへ読み取り専用のユーザーで接続できます。データベース側で適切に権限を設定しておけば、誤ってデータの追加や削除を行うSQLを実行しても、権限エラーとなり、意図しないデータの変更を防げます。

      今回の検証でも、読み取り専用ユーザーで接続し、INSERT(追加)とDELETE(削除)が権限エラーになることを確認しました。具体的な検証結果は、後述する「STEP3」で紹介します。

      できること②:kintoneのフィールドに合わせた列でデータを抽出し、CSV形式で出力する

      基幹システムのデータベースでは、列名に略号や独自の名称が使われていることがあり、そのままCSVへ出力してもkintoneのフィールド名と一致しない場合があります。

      DBeaverでは、SQLを使って必要な列だけを抽出し、kintoneのフィールド名に合わせた列名で出力できます。データベース側にビュー(取り出す列や列名を定義した仮想的な表)を作成し、そこからCSVを出力する方法もあります。また、CSV出力時には、区切り文字・引用符・文字コード・見出し行の有無などを指定できます。

      これにより、基幹システムのデータをkintoneへ読み込みやすいCSV形式に整えることができます。

      できること③:出力設定をタスクとして保存し、次回以降も再利用する

      DBeaverには、CSVの出力設定を「タスク」として保存する機能があります。

      一度設定した出力対象やファイル形式などを保存しておけば、2回目以降は同じ設定を使ってCSVを出力できるため、毎回設定し直す必要がありません。今回の検証環境(DBeaver Community 26.2.3)でも、タスクの保存と手動実行ができることを確認しています。

      ただし、指定した日時にタスクを自動実行するスケジュール機能は有償版の対象です。Community版では、保存したタスクを手動で実行する必要があります。

      DBeaverに関する注意点

      DBeaverを使って基幹システムのデータをkintoneへ取り込む際には、タスクの実行方法やCSVの取り扱いなど、いくつか注意すべき点があります。

      ここでは、実際の検証で確認できた内容も交えながら、4つの注意点を解説します。

      注意点①:Community版には、出力を予約するスケジュール機能がない

      前述のとおり、DBeaver Community版ではタスクの保存と手動実行は可能ですが、指定した時刻に自動実行する「Task Scheduler」は利用できません。また、DBeaverの公式ドキュメントによると、コマンドラインから保存済みタスクを実行する「-runTask」も有償版向けの機能です。

      今回の検証では、Community版 26.2.3で以下のコマンドを実行しました。

      dbeaverc.exe -runTask "@General:取引先マスタのCSV出力"

      結果として、ログに「Parameter(s) -runTask cannot be specified after 'dbeaver'」と記録され、タスクは実行されませんでした。このエラーメッセージだけでは原因を特定できませんが、公式仕様でもCommunity版は「-runTask」の対象外とされています。

      そのため、Community版では手動実行を前提とし、定時実行が必要な場合は有償版や別の連携ツールを検討しましょう。

      具体的な構成については、後述する「活用例③」で紹介します。

      注意点②:本番のデータベースに負担をかけない時間帯と抽出の範囲を決める

      DBeaverで基幹システムのデータを抽出する際は、本番データベースへの負荷に注意が必要です。

      たとえば、業務時間中に大量のデータを一括で取得すると、基幹システムの応答速度に影響する可能性があります。そのため、CSVを出力する担当者や時間帯を決め、必要なデータだけを抽出するようにしましょう。

      更新日時などを条件に、変更されたレコードだけを出力する方法もあります。ただし、この方法では基幹システムから物理削除されたレコードを取得できないため、削除データの扱いもあわせて検討する必要があります。

      注意点③:出力したCSVはExcelで開いて保存し直さない

      DBeaverから出力したCSVファイルは、Excelで開いて保存し直すと、文字化けやデータの変換が発生する場合があります。

      今回の検証では、UTF-8(BOMなし)で出力したCSVをExcelで直接開いたところ、文字化けが発生し、データの区切りも正しく表示されませんでした。

      ▼UTF-8(BOMなし)のCSVをExcelで開いた画面

      UTF-8(BOMなし)のCSVをExcelで開いた画面

      また、windows-31j(Shift_JIS系)で出力したCSVでは日本語を表示できましたが、取引先コード「000101」の先頭の0が消え、「101」に変換されました。原因としては、Excelが数字だけのコードを数値として認識したためです。

      ▼windows-31jのCSVをExcelで開いた画面(先頭の0が消えている)

      windows-31jのCSVをExcelで開いた画面

      この状態でCSVを保存してkintoneへ読み込むと、取引先コードが更新キーと一致せず、既存レコードを正しく更新できなくなるおそれがあります。そのため、CSVの内容を確認する際は、メモ帳などのテキストエディタを使用し、Excelで開いた場合は保存せずに閉じることをおすすめします。

      注意点④:基幹システムで削除したデータはkintone側に残る

      kintoneの「ファイルから読み込む」機能では、CSVに含まれない既存レコードを自動で削除することはできません。

      今回の検証では、基幹システム側で取引先情報の更新・追加・無効化・削除をそれぞれ行い、再度CSVを出力してkintoneへ読み込みました。その結果、更新・追加・無効化は反映されましたが、基幹システムから削除した取引先コード「000113」は、kintone側に「有効」のまま残りました。

      ▼2回目のCSV読み込み後、削除した取引先が残っている画面

      このような問題を防ぐには、基幹システム側で「有効・無効」を管理している場合、その項目もCSVへ出力し、kintone側で取引先の状態を管理する方法があります。

      ただし、基幹システムでレコードを物理削除する場合は、CSVに削除対象の情報が含まれません。そのため、kintone側のレコードも削除するのか、無効として管理するのかを事前に決めておく必要があります。

      ASTERIA Warp・CData Arcとの比較

      比較対象①:ASTERIA Warp(アステリア ワープ)

      ASTERIA Warpのロゴ

      ASTERIA Warpは、アステリア株式会社が提供するデータ連携ツールです。データの取得・加工・登録などの処理を画面上で組み合わせ、システム間の連携フローを構築できます。

      別売の「kintoneアダプター」を利用すると、kintoneのレコードの取得・登録・更新・削除に加え、プロセス管理のステータス更新などにも対応できます。また、データベースの差分を追加・更新・削除に分けて取得できる「RDBDiff」も備えています。

      比較対象②:CData Arc(シーデータ アーク)

      CData Arcのロゴ

      CData Arcは、CData Softwareが提供するデータ連携ツールです。CSV・Excel・XMLなどのファイルや、データベース、業務アプリケーション、EDIなどを組み合わせた連携フローをノーコードで構築できます。kintoneコネクタでは、レコードの取得(Select)や登録・更新(Upsert)に対応しています。

      なお、クラウド版のArc CloudではDatabaseコネクタを利用できないため、基幹システムのデータベースへ直接接続する場合は、インストール版を検討する必要があります。

      DBeaver・ASTERIA Warp・CData Arcの比較

      ここまで紹介した3製品について、自動実行の可否、kintoneへの反映方法、費用、必要な知識などを比較します。

      ※DBeaverは2026年10月24日、ASTERIA Warpは2026年10月22日、CData Arcは2026年10月24日に各社の公式資料で確認。自動化の範囲や費用、必要な設定は製品・システム構成によって異なります。

      用途別のおすすめ

      3製品は、連携したいデータの範囲や更新頻度、自動化の必要性によって向き不向きがあります。自社の運用に合わせて、以下を参考にしてください。

      • DBeaver:
        基幹システムのマスタデータをCSVで出力し、kintoneへの取り込み方法を自社で選びたい場合

      • CData Arc:
        EDIなどの取引先とのファイル連携も含め、kintoneへのデータ登録・更新を自動化したい場合

      • ASTERIA Warp:
        kintoneのレコードの登録・更新・削除に加え、プロセス管理のステータス更新まで行いたい場合

      【手順】DBeaverで基幹システムのデータをkintone用のCSVにエクスポートする方法

      ここからは、Windows 11上のSQL Server 2025 Express(無償版)とDBeaver Community 26.2.3で試した手順を紹介します。

      データは架空の取引先15件・商品12件で、文字列の列はすべてUnicode(NVARCHAR)です。Oracleなどほかのデータベースや、Shift_JIS系の文字コードで保存された列、外字を含むデータは試していません。

      STEP1:始める前に、データベースの管理者に用意してもらうもの

      DBeaverから基幹システムのデータベースへ接続するために、事前に以下の情報や設定をデータベース管理者へ依頼しておきましょう。

      • 接続先のホスト名・ポート番号・データベース名

      • 読み取り専用のユーザー(検証では「db_datareader」と「db_denydatawriter」のロールを付与)

      • kintoneのフィールドに合わせたビュー(作成には適切な権限が必要)

      • SQL Server Expressの場合は、TCP/IP接続やSQL Server認証などの設定(検証ではポートを1433番に固定し、混合モードを使用)

      基幹システムのデータを参照するだけであれば、読み取り権限は必要な範囲に限定しておくことをおすすめします。たとえば、kintoneへ連携するビューにだけ読み取り権限を付与する方法もあります。

      今回の検証では、基幹システムの列名をkintoneのフィールド名に合わせたビューを作成しました。以下は、そのSQLの一部です。

      CREATE VIEW dbo.V_KINTONE_TORIHIKISAKI AS
      SELECT
          TORIHIKISAKI_CD AS [取引先コード],
          TORIHIKISAKI_NM AS [取引先名],
          -- 郵便番号・住所・電話番号などの列は省略
          BIKO            AS [備考],
          CASE MUKO_FLG WHEN 1 THEN N'無効' ELSE N'有効' END AS [状態],
          FORMAT(KOSHIN_DT, 'yyyy-MM-dd HH:mm') AS [基幹の更新日時]
      FROM dbo.M_TORIHIKISAKI;

      STEP2:DBeaverをインストールし、基幹システムのデータベースに接続する

      DBeaverの公式サイトからCommunity版をインストールし、[データベース]メニューの[新しい接続]でSQL Serverを選びます。ホスト・ポート・データベース名と、読み取り専用のユーザー名・パスワードを入力します。

      ▼SQL Serverへの接続設定画面

      SQL Serverへの接続設定画面

      SQL ServerのJDBCドライバーは、バージョン10.2から通信の暗号化が既定で有効です。自己署名の証明書のサーバーには接続できないことがあるので、検証環境では[Trust Server Certificate]にチェックを入れました。
      証明書の検証を省く設定なので、本運用時には正規の証明書を使いましょう。

      STEP3:読み取り専用の権限で接続できているか確かめる

      本番のデータベースでは追加や削除を試さず、ユーザーに付いている権限を管理者に見せてもらいましょう。

      検証環境で次の3つを実行すると、SELECTは結果が返り、INSERTとDELETEはエラー番号229(権限の拒否)で止まりました。

      SELECT * FROM dbo.V_KINTONE_TORIHIKISAKI;
      INSERT INTO dbo.M_TORIHIKISAKI (TORIHIKISAKI_CD, TORIHIKISAKI_NM, TORIHIKI_KBN, MUKO_FLG, KOSHIN_DT)
      VALUES (N'999999', N'テスト', 1, 0, SYSDATETIME());
      DELETE FROM dbo.M_TORIHIKISAKI WHERE TORIHIKISAKI_CD = N'000101';

      ▼INSERTが権限エラーで拒否された画面

      INSERTが権限エラーで拒否された画面

      STEP4:kintoneのフィールドに合わせたビューの中身を確認する

      SQLエディタでビューをSELECTし、結果の列名と値を確認しておきましょう。

      <確認すべき内容>

      • 列名がkintoneのフィールド名と同じか:
        「ファイルから読み込む」では、見出しとフィールド名が同じなら列の対応付けが自動で入ります。cli-kintoneで読み込む場合は、ビューの列名をフィールドコードに合わせます。

      • コードの先頭の0が残っているか:
        コードの列が数値型の場合、先頭の0はデータベースに保存されていないため、文字列に変換しても「101」のままです。固定桁数のコードであれば、元の採番ルールに合わせて先頭の0を補うよう、管理者に依頼しましょう。

      • 日付と日時の形式:
        今回の検証では、日時(DATETIME2)が「2026-04-01 09:00:00.000」とミリ秒まで表示されました。kintoneへの読み込みに合わせて、ビューで「2026-04-01 09:00」の形式にそろえています。

      • 空の値の出し方:
        DBeaverの既定では、NULLは何も書かれない空欄として出力されます。
        なお、既存レコードを更新する場合、CSVの空欄がkintone側の既存値に影響することがあります。NULLを空欄として出力する場合は、取り込み対象フィールドと更新時の動作を事前に確認しておきましょう。

      ▼ビューをSELECTした結果

      ビューをSELECTした結果

      STEP5:データのエクスポート(Export Data)でCSVの形式を指定する

      ビューを右クリックして[データのエクスポート]を選び、出力形式にCSVを指定します。[Format settings]の画面では、今回の検証で以下のように設定しました。

      <設定内容>

      • デリミタ(区切り文字):カンマ

      • Row delimiter(改行コード):\r\n(CRLF)

      • ヘッダ:top(1行目に見出しを出す)

      • 常に引用符を付ける:strings(文字列の値を引用符で囲む)

      • NULL文字列:空欄のまま

      • Escape formulas:オンのまま(今回のデータには「=」「+」「-」「@」で始まる値がなく、出力結果への影響は未検証)

      ▼CSVの形式の設定画面

      CSVの形式の設定画面

      続く[出力]の画面で、出力先のフォルダ、ファイル名、エンコーディング(文字コード)を指定します。今回の検証では、文字コードを「UTF-8」、[BOMを挿入]をオフに設定しました。

      ▼出力先と文字コードの設定画面

      出力先と文字コードの設定画面

      CSVの文字コードは、UTF-8で出力し、kintoneへの読み込み時にも「UTF-8」を指定する方法をおすすめします。UTF-8で出力したCSVでは、「𠮷」のようにShift_JIS系では扱えない文字も正しく出力できました。

      kintoneの「ファイルから読み込む」画面では、文字コードの既定値が「Shift-JIS」になっており、そのままUTF-8のCSVを選択すると、プレビューで文字化けが発生しました。読み込み時には「UTF-8」に切り替えましょう。「今回の設定を保存して、次回読み込み時に利用する」をオンにしておけば、選択した文字コードなどの設定を次回以降も利用できます。

      ▼UTF-8のCSVを、kintoneの読み込み画面で既定の文字コードのまま選んだ画面

      UTF-8のCSVを、kintoneの読み込み画面で既定の文字コードのまま選んだ画面

      Shift_JIS系の文字コードでCSVを出力する場合は、エンコーディングの違いにも注意が必要です。

      今回の検証では、「Shift_JIS」で出力すると「髙」「﨑」「㈱」「①」など、計7か所の文字が「?」に置き換わりました。「windows-31j」では、これらの文字を正しく出力できています。「?」への置き換えはエラーや警告が表示されずに発生したため、文字化けに気付かずkintoneへ取り込んでしまうおそれがあります。

      ただし、windows-31jで表現できない「𠮷」などの文字の出力や、windows-31jで作成したCSVのkintoneへの読み込みについては、今回の検証では確認していません。

      ▼「Shift_JIS」で出力したCSV(「髙」「﨑」「㈱」「①」が「?」に置き換わっている)

      「Shift_JIS」で出力したCSV

      STEP6:出力の設定をタスクとして保存する

      [出力]画面の左下にある[Save as task]をクリックすると、CSVの出力設定をタスクとして保存できます。保存したタスクは、[データベース]メニューの[Tasks]から開き、繰り返し実行できます。

      今回の検証でも、基幹システム側で取引先情報を変更した後、設定をやり直すことなく、同じ形式で更新後のCSVを出力できることを確認しました。

      出力したCSVをkintoneへ取り込む3つの手段

      DBeaverで出力したCSVをkintoneへ取り込む方法には、主に以下の3つがあります。いずれの方法も、取引先コードなどの重複しない値を更新キーとして利用することで、既存レコードを更新できます。

      • kintoneの「ファイルから読み込む」:
        アプリの画面から読み込む基本機能です。月に数回程度の手動更新に向いています。

      • cli-kintone(クリキントーン):
        コマンドラインからCSVを読み込むツールです。処理をスクリプトにまとめることで、繰り返し実行できます。

      • データシンカー(DataSyncer® CSV to kintone):
        Windows上の指定フォルダを監視し、配置されたCSVをkintoneへ自動で取り込むサービスです。毎日の取り込み作業を自動化したい場合に向いています。

      ただし、取り込み方法によって設定や制限が異なります。たとえば、kintoneの「ファイルから読み込む」機能では、CSVの上限は1ファイル10万行・100MBです。

      cli-kintoneでは、更新キーとなるフィールドに「値の重複を禁止する」を設定し、CSVの見出しをフィールドコードに合わせる必要があります。また、APIトークンにはレコードの追加・編集権限を付与します。

      ▼関連コラムはこちら

      cli-kintone(クリキントーン)でバックアップを自動化する方法

      【活用例】DBeaverを使った基幹システムとkintoneの連携パターン4選

      ここでは、DBeaverを使って基幹システムのデータをkintoneへ連携する具体的な活用例を4つご紹介します。CSVを介したマスタ連携のほか、定時実行による自動化や、JDBCドライバーを利用した直接接続についても解説します。

      なお、基幹システムのマスタ情報をkintoneで利用する際の課題については、以下の関連記事でも紹介しています。

      ▼関連コラムはこちら

      kintoneと基幹システムを連携する方法5選|活用例・注意点も解説

      活用例①:取引先マスタを、案件管理アプリのルックアップ元にする

      活用例①のイメージ図

      <課題>

      基幹システムで取引先情報を管理しているにもかかわらず、kintoneの案件管理アプリでは取引先名を手入力しているケースです。

      たとえば、同じ取引先でも「髙嶋商事」と「高嶋商事」のように表記が異なると、案件の検索や集計が正しく行えない原因になります。また、基幹システムで取引を停止した取引先についても、kintone側に情報が反映されていなければ、担当者が気付かずに選択してしまう可能性があります。

      <解決方法>

      DBeaverで基幹システムから「取引先コード」「取引先名」「状態」をCSV出力し、kintoneの取引先マスタへ取り込みます。

      取引先コードを更新キーに設定すれば、2回目以降は既存レコードの更新と新規追加が可能です。案件管理アプリでは、ルックアップで取引先名を取得することで、手入力による表記ゆれを防げます。

      無効化された取引先については、ルックアップの「絞り込みの初期設定」で有効な取引先だけを表示する方法があります。ただし、絞り込みだけでは選択を完全に制限できないため、必要に応じて入力チェックなどの対策も検討しましょう。

      基幹システムから物理削除された取引先は、kintone側に「有効」のまま残る場合があります。この場合は、kintone側でも別途削除・無効化する必要があります。

      活用例②:商品マスタを、見積管理アプリのルックアップ元にする

      活用例②のイメージ図

      <課題>

      基幹システムで商品情報を管理しているにもかかわらず、kintoneの見積管理アプリでは商品名や単価を手入力しているケースです。

      手入力では、基幹システムの商品マスタと名称や金額に違いが生じたり、単価の変更が見積作成時に反映されなかったりする可能性があります。

      <解決方法>

      DBeaverで基幹システムから「商品コード」「商品名」「標準単価」「仕入先コード」をCSV出力し、kintoneの商品マスタへ取り込みます。見積管理アプリでは、商品コードを使ったルックアップを設定することで、商品名や単価を商品マスタから取得でき、手入力によるミスを防げます。

      今回の検証では、商品マスタから取引先マスタをルックアップで参照し、CSV読み込み時に仕入先名を取得できることも確認しました。

      ただし、ルックアップで取得した値は、参照元の情報を変更しても自動では更新されません。更新するには、CSVの読み込み時にルックアップフィールドを対応付け、値を再取得する必要があります。更新作業を自動化したい場合は、「ルックアップ自動更新プラグイン」も選択肢となります。

      ▼関連コラムはこちら

      kintoneで「ルックアップ先」を自動で更新する方法とは?|プラグイン比較3選

      活用例③:出力から読み込みまでを、決まった時刻に自動で実行する

      活用例③のイメージ図

      <課題>

      基幹システムからのCSV出力とkintoneへの読み込みを毎朝手作業で行っており、担当者が不在の日にはデータが更新されないケースです。

      <解決方法>

      DBeaverの有償版(Enterprise版・Ultimate版)には、指定した時刻にタスクを自動実行できる「Task Scheduler」があります。

      この機能を使ってCSV出力を予約し、出力先を「DataSyncer CSV to kintone」の監視フォルダに設定することで、CSVの出力からkintoneへの取り込みまでを自動化する構成が考えられます。また、cli-kintoneを利用する場合は、DBeaverの有償版でCSVを出力した後、バッチファイルなどから読み込みコマンドを実行する方法もあります。Windowsのタスクスケジューラなどを組み合わせることで、定期的な連携処理を構成できます。

      ただし、今回紹介した自動連携の構成は未検証です。

      実際に導入する際は、CSVの出力完了を確認してから読み込みを開始し、出力失敗時に古いCSVを取り込まないよう、ファイルの更新日時や処理結果を確認する仕組みも必要です。

      活用例④:CSVを介さずにkintoneへ直接書き込む

      活用例④のイメージ図

      <課題>

      DBeaverの画面からkintoneのレコードを直接確認・更新したいケースです。たとえば、基幹システムで削除した取引先のレコードをkintone側でも削除する場合、CSVの読み込みでは対応できないため、別の方法が必要になります。

      <解決方法>

      CData社が提供する「CData JDBC Driver for Kintone」を利用すると、DBeaverからkintoneのアプリをデータベースのテーブルのように扱えるようになります。DBeaverのドライバーマネージャーに登録することで、SQLを使ったレコードの参照(SELECT)・追加(INSERT)・更新(UPDATE)・削除(DELETE)が可能です。

      なお、CData JDBC Driver for Kintoneは有償製品で、先ほど比較した「CData Arc」とは異なります。今回の構成は未検証のため、実際に導入する際は、テスト用のkintoneアプリで接続や更新・削除の動作を確認することをおすすめします。

      まとめ

      この記事では、DBeaverを使って基幹システムのデータを抽出し、CSVファイルを介してkintoneへ取り込む方法を解説しました。

      DBeaver Community版では、データベースへの読み取り専用接続、CSV出力、出力設定の保存を無償で行えます。月に数回程度のマスタ更新であれば、Community版とkintoneの基本機能を組み合わせた運用も選択肢になります。

      定期的な自動連携が必要な場合は、DBeaverの有償版とデータシンカーなどを組み合わせる方法や、ASTERIA Warp・CData Arcの導入を検討するとよいでしょう。

      なお、CSV連携では文字コードの設定、削除されたレコードの扱い、ルックアップの更新に注意が必要です。まずは取引先マスタなどの一部のデータから始め、運用を確認しながら連携範囲を広げていくことをおすすめします。

      kintoneと基幹システムの連携ならルーブピークへ

      Lubepeakでは、基幹システムへの接続可否の確認から、連携対象データの整理、CSV・API・連携ツールの選定、kintone側のアプリ設計まで対応しています。既存の基幹システムを活かしながら、運用負荷やコストに合った連携方法をご提案します。

      kintoneと基幹システムの連携をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

      kintone・基幹システム連携サービス_FV

      Lubepeak株式会社 代表

      平井 将吾

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      ~ 経歴 ~

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        2021年
        富士フイルムビジネスイノベーション株式会社へ新卒入社

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        2022年~2025年
        官公庁において、「kintone」の導入で「自治体DX」を多数支援

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        2025年10月~
        Lubepeak株式会社を設立。
        中小企業のお客様を対象に「kintone」の導入支援を行い、要件整理から運用定着まで一貫支援

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        2026年1月
        Lubepeak株式会社が「サイボウズコンサルティングパートナー」に認定

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        2026年6月
        Lubepeak株式会社が「サイボウズプロダクトパートナー」に認定

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        2026年10月
        kintone連携チャットツール「ChatCrew」をリリース

      執筆者保有資格:kintone認定アソシエイト(2021年9月)執筆者保有資格:kintone認定アプリデザインスペシャリスト(2021年9月)認定:サイボウズオフィシャルコンサルティングパートナー認定:サイボウズオフィシャルパートナー
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      顧客の業務改善に向き合える場所

      ルーブピークは、「kintone」で企業の課題を共に解決するメンバーを募集しています。

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      Cybozu Official Partner

      サイボウズオフィシャルパートナー

      サイボウズ社が認定するパートナー企業

      当社は、サイボウズオフィシャルパートナーの中でも、サイボウズ社製品の提案・導入・運用支援を行う「コンサルティングパートナー」及びプラグインなどの連携サービスを提供する「プロダクトパートナー」に認定されています。

      主に、kintoneを活用した業務改善支援を行い、お客様の課題整理からシステム構築、運用定着まで伴走しています。

      サイボウズオフィシャルパートナーの認定ロゴ
      サイボウズコンサルティングパートナーの認定ロゴサイボウズプロダクトパートナーの認定ロゴ

      SERVICE

      主なサービス

      kintone開発サービス

      KYOSOU

      「試したけどダメだった…」を伴走支援

      KYOSOU(キョウソウ)は、「自分たちでkintone構築に挑戦してみたけど、結局諦めてしまった…」という声に応える、kintone開発サービスです。

      早期の段階から「業務フロー」や「システムイメージ」を整理し、業務にフィットするkintoneシステムをお客様と共創します。

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      kintone連携チャットツール

      ChatCrew

      レコードで管理する社外コミュニケーション

      ChatCrew(チャットクルー)は、社外とのコミュニケーションをkintoneのレコードに紐づけて管理できるkintone連携チャットツールです。

      kintoneのアカウントを持たない顧客や取引先ともチャットでやり取りでき、会話の履歴をレコード上で一元管理できます。さらに、「AIアシスタント機能」を搭載し、日々のタスク管理をサポートします。

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      kintoneプラグイン提供サービス

      Plugin to Peak

      はじめてのkintoneを、もっと使いやすく

      Plugin to Peakは、kintoneを使い始めたときに感じる「あと少し足りない」を解決するプラグイン提供サービスです。
      自動採番や検索機能など、日々の操作をラクにする実用的な機能を月額980円から手軽に導入できます。

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