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kintone MCPサーバーでレコード操作を自動化する方法|シフト表作成への活用例

kintoneのレコード登録・更新を手作業で行っており、入力ミスも発生しやすい…
AI(生成AI)でkintoneを操作できると聞いたが、何から設定すればいいかわからない…
MCPを使って、具体的にどのような業務を自動化できるのか知りたい
―――kintoneを活用する中で、このようなお悩みはありませんか?
生成AIの活用が広がる中で、AIから外部のシステムやサービスを操作するための仕組みとして注目されているのが、「MCP(Model Context Protocol)」です。
kintone(キントーン)でも公式のローカルMCPサーバーが公開されており、ClaudeなどのAIからkintoneのレコードを取得・追加・更新・削除するといった操作が可能になっています。
たとえば、「今月の未対応案件を取得して」「この内容でレコードを登録して」といった日本語の指示から、kintoneのデータを操作できます。また、Googleカレンダーなどの外部サービスともAIを接続することで、複数の情報源を組み合わせた業務にも応用できます。
本記事では、kintoneの公式MCPサーバーの仕組みや設定方法、レコード操作の基本を解説します。さらに、kintoneの従業員マスタとGoogleカレンダーの予定を参照しながらシフト案を作成し、確定した内容をkintoneへ登録する活用例もご紹介します。
kintoneと生成AIを連携させ、実際の業務でどのように活用できるのか知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
- kintoneのMCPサーバーとは?
- MCPサーバーの仕組み(AIとkintoneをつなぐ役割)
- kintone公式ローカルMCPサーバーでできる操作一覧
- kintone AIとの違い
- kintone MCPサーバーの構成・設定方法
- ①認証方式を選ぶ(APIトークン認証/パスワード認証)
- ②kintone側の設定(APIトークン発行・権限設定)
- ③AIクライアント側の設定(Claude Desktop等への接続設定)
- ④接続確認とテスト実行
- MCPを使ったkintoneレコード操作の基本
- レコードの取得・検索
- レコードの追加・更新
- レコードの削除
- 【活用事例】MCPでシフト表を作成する方法
- Step1:シフト希望・勤務条件をGoogleカレンダー・従業員マスタから取得
- Step2:AIにシフト作成条件を指示する
- Step3:AIが作成したシフト案を確認・調整
- Step4:確定したシフトをkintoneのレコードへ反映
- MCP活用時の注意点
- 注意点①:AIに付与する権限を最小限にする
- 注意点②:AIの出力を確認してからデータを更新する
- 注意点③:重複登録・上書きに注意する
- 注意点④:機密情報の取り扱いを確認する
- まとめ
- kintone×MCPを活用した業務改善ならルーブピークへ
kintoneのMCPサーバーとは?
kintoneのMCPサーバーとは、ClaudeなどのAIと、kintoneのデータや機能をつなぐためのプログラムです。MCP(Model Context Protocol)は、生成AIが外部のツールやデータを利用するための共通規格です。AIと外部システムの間で、どのような情報を取得し、どのような操作を行うかをやり取りするために利用されます。
サイボウズでは、kintoneとMCP対応のAIクライアントを接続するための「kintone MCP Server」を、公式のローカルMCPサーバーとしてOSS(オープンソースソフトウェア)で公開しています。
このMCPサーバーを利用すると、AIとの会話を通じて、kintoneに登録されているレコードの検索や取得、レコードの追加・更新などを実行できます。
たとえば、以下のような操作です。
「今月登録された未対応案件を取得してください」
「顧客ランクがAの取引先を一覧にしてください」
「この内容で案件管理アプリへレコードを追加してください」
「レコード番号10の対応状況を更新してください」
ユーザーがkintoneの画面を開いて一件ずつ操作したり、REST APIのプログラムを作成したりすることなく、AIからkintoneの操作を実行できる点が特徴です。
MCPサーバーの仕組み(AIとkintoneをつなぐ役割)
MCPを利用する際、ユーザーが自然言語で指示を出す相手は、MCPサーバーではありません。実際には、Claude DesktopなどのMCPに対応したAIクライアントを利用します。
処理の流れは以下のとおりです。
ユーザーがAIクライアントへ日本語で指示を出す
AIが指示内容を解釈し、必要なMCPツールを選択する
MCPサーバーがkintone REST APIを呼び出す
kintoneから取得した結果をMCPサーバーがAIへ返す
AIが結果を整理し、ユーザーへ回答する
つまり、MCPサーバーは、AIからkintoneのデータや機能を操作するための窓口として動作します。また、kintone公式のMCPサーバーは「ローカル型」となっており、利用するPCなどでMCPサーバーを動かし、そこからkintoneへ接続する仕組みです。
そのため、利用するPCやAIクライアントにMCPサーバーの接続設定を行う必要があります。
▼MCPサーバーの構成イメージ

kintone公式ローカルMCPサーバーでできる操作一覧
kintone公式のMCPサーバーには、レコードの取得・更新だけでなく、アプリやフィールドの設定を操作するためのツールも用意されています。
代表的な操作は以下のとおりです。
アプリ情報の取得
アプリのフォーム情報・レイアウトの取得
フィールドの追加・更新・削除
レコードの取得・検索
レコードの追加・更新・削除
プロセス管理のステータス更新
レコードコメントの取得・追加
アプリの作成
アプリ設定の反映
スペース情報の取得・更新・削除
添付ファイルのダウンロード
たとえば、レコードの取得機能を使えば、kintoneに登録されている顧客情報や案件情報をAIから検索できます。また、レコードの追加・更新機能を利用すれば、AIが作成した内容をkintoneへ登録したり、既存レコードの値を変更したりすることも可能です。
ただし、すべての操作が無条件に実行できるわけではありません。認証方式やアクセス権、対象となるフィールドなどによって制限があります。
なお、公式MCPサーバーでは、レコードの追加・更新ツールから添付ファイルフィールドを操作することはできず、ゲストスペース内のアプリにも対応していません。
提供されるツールはアップデートによって追加・変更される可能性があります。最新のツール一覧や制限事項については、kintone公式MCPサーバーのGitHubをご確認ください。
利用できるツールや制限事項はアップデートによって変更される可能性があるため、最新情報は公式GitHubをご確認ください。
kintone MCP Server(公式GitHub):https://github.com/kintone/mcp-server
kintone AIとの違い
kintoneには、サイボウズが提供するAI機能として「kintone AI」もあります。kintone AIとMCPサーバーは、どちらもAIとkintoneを組み合わせる仕組みですが、利用方法が異なります。
kintone AIは、kintone上でAIを利用するための機能です。
たとえば、アプリに登録された情報を自然言語で検索する「検索AI」や、AIとの対話からアプリ作成を支援する「アプリ作成AI」、プロセス管理の設定を支援する「プロセス管理設定AI」などが提供されています。
一方、MCPサーバーは、Claudeなどの外部AIクライアントからkintoneを操作するための仕組みです。
AIクライアント側で他のサービスとも接続できれば、kintoneとGoogleカレンダーなど、複数サービスの情報を参照しながら処理を進めることもできます。
そのため、kintone上でAIを利用したい場合は「kintone AI」、AIクライアントからkintoneや他サービスを操作したい場合は「MCPサーバー」、という違いで整理すると分かりやすいでしょう。
▼関連コラムはこちら
kintone AIを徹底解説|6つのAI機能の特徴と活用例
kintone MCPサーバーの構成・設定方法
ここからは、実際にkintone MCPサーバーを利用するための設定方法を解説します。kintone公式MCPサーバーでは、Claude Desktop向けのMCPBパッケージのほか、Dockerやnpmを利用したインストール方法も用意されています。
本記事では、「Claude Desktop」からkintoneを操作する方法を中心に説明します。
①認証方式を選ぶ(APIトークン認証/パスワード認証)
kintone MCPサーバーでは、主に以下の2つの認証方式を利用できます。
kintoneのログイン名・パスワードによる認証
APIトークンによる認証
パスワード認証では、指定したユーザーのアクセス権に基づいてkintoneを操作します。そのため、複数のアプリを横断して情報を取得したい場合などに利用できます。一方、APIトークン認証では、トークンを発行したアプリと、トークンに付与された権限の範囲で操作を行います。
たとえば、シフト管理アプリへのレコード追加だけをAIから実行させたい場合は、対象アプリに「レコード追加」の権限を付与したAPIトークンを利用する方法があります。
本番環境でMCPを利用する場合は、AIから操作できる範囲を必要最小限にすることが重要です。 特定のアプリを対象とした運用であれば、APIトークン認証を優先して検討するとよいでしょう。
なお、パスワード認証とAPIトークン認証を同時に指定した場合は、パスワード認証が優先されます。
②kintone側の設定(APIトークン発行・権限設定)
APIトークン認証を利用する場合は、kintone側でAPIトークンを発行します。
対象のアプリを開き、以下の流れで設定してください。
[アプリの設定]から[APIトークン]を開く
[生成する]をクリックしてAPIトークンを発行する
必要な権限を設定する
設定を保存する
[アプリを更新]して設定を運用環境へ反映する
APIトークンでは、「レコード閲覧」「レコード追加」「レコード編集」「レコード削除」「アプリ管理」といった権限を設定できます。AIからレコードの内容を確認するだけであれば、閲覧権限のみを付与します。また、シフト管理アプリへ新しいレコードを登録する場合には、追加権限も必要です。
操作内容によって必要な権限は異なるため、最初からすべての権限を付与せず、実際に利用する機能に合わせて設定しましょう。
③AIクライアント側の設定(Claude Desktop等への接続設定)
kintone側の準備ができたら、Claude DesktopへMCPサーバーをインストールします。設定は、以下の5つの手順で進めます。
1. kintone MCP Serverをダウンロードする
まず、kintone公式GitHubのリリースページから、最新のMCPBファイルをダウンロードします。

2. Claude Desktopをインストールする
Claude Desktopを利用していない場合は、公式サイトからダウンロードしてインストールします。
3. MCPBファイルをインストールする
Claude Desktopを開き、設定画面から[デスクトップアプリ]→[拡張機能]へ進みます。ダウンロードしたMCPBファイルをドラッグ&ドロップし、表示された確認画面からインストールを実行してください。

4. kintoneへの接続情報を設定する
インストール後、kintoneへ接続するための情報を設定します。パスワード認証の場合は、以下の情報を入力します。
kintone Base URL
kintoneのログイン名
kintoneのパスワード
kintone Base URLには、https://example.cybozu.com のように、利用しているkintone環境のベースURLを指定します。

APIトークン認証を利用する場合は、APIトークンに対応した設定が必要です。利用するMCPBの設定画面や構成によって入力方法が異なるため、公式GitHubの認証設定ガイドを確認してください。
なお、kintone公式MCPサーバーでは、APIトークンをカンマ区切りで最大9個まで指定可能です。
5. MCPサーバーを有効にする
必要な設定が完了したら、kintone MCP Serverを有効にします。

④接続確認とテスト実行
設定が完了したら、Claude Desktopを再起動し、新しいチャットを開きます。チャット入力欄から利用可能なツールやコネクタを確認し、kintone MCP Serverが認識されているか確認してください。
▼接続確認①

続いて、簡単な取得処理を実行してみましょう。
たとえば、パスワード認証の場合は、「利用できるkintoneのアプリを確認してください。」のように指示を出します。
▼接続確認②

kintoneのアプリ情報が正常に取得できれば、接続は完了です。
エラーが発生する場合は、kintoneのベースURLや認証情報、APIトークンの権限設定などを確認してください。社内ネットワークを利用している場合には、プロキシ設定が必要になることもあります。
なお、APIトークン認証ではアプリ一覧取得など、一部の操作に制約があります。その場合は、対象アプリを指定してレコードを取得するなど、利用可能な操作で接続を確認してください。
MCPを使ったkintoneレコード操作の基本
MCPサーバーの接続が完了したら、実際にAIへの指示からkintoneのレコードを操作してみましょう。ここでは、利用頻度の高い「レコードの取得・検索」「追加・更新」「削除」の3つを中心に解説します。
レコードの取得・検索
最初にご紹介するのが、kintoneに登録されているレコードの取得・検索です。MCPを利用すると、AIへ自然言語で条件を伝えることで、対象アプリから条件に一致するレコードを取得できます。
たとえば、顧客管理アプリであれば「顧客ランクがAの取引先」、案件管理アプリであれば「今月更新された案件」など、フィールドの値や日付を条件にして検索できます。また、取得件数や並び順を指定することも可能です。
▼「レコード検索」のプロンプト例
「顧客管理アプリから、顧客ランクがAのレコードを取得してください。会社名、担当者名、電話番号を一覧で表示してください。」
▼「レコード検索」の結果画面

ここで注意したいのが、kintoneの「フィールドコード」です。
kintoneでは、画面に表示されるフィールド名と、REST APIで利用するフィールドコードが異なる場合があります。そのため、AIがフィールド名をもとに検索条件を作成すると、意図したレコードを取得できないことがあります。
このような場合は、最初にAIへアプリのフォーム情報を取得させてから、レコードを検索させる方法が有効です。
たとえば、「まず顧客管理アプリのフィールド情報を確認してください。そのうえで、顧客ランクが「A」のレコードを取得してください。」と指示します。
あらかじめフィールド構成を確認させることで、存在しないフィールドコードを指定するといったミスを減らしやすくなります。

レコードの追加・更新
MCPサーバーでは、kintoneへのレコードの「追加」「更新」も行えます。
新しいレコードを登録する場合は、登録先のアプリと入力内容をAIへ伝えます。一方、既存のレコードを更新する場合は、更新対象となるレコードを正しく特定することが重要です。
たとえば、顧客管理アプリに登録されている特定の取引先について、顧客ランクを変更したい場合は、次のように指示します。
▼レコード更新のプロンプト例
「顧客管理アプリから、会社名が『株式会社サイボウズ商事』のレコードを検索してください。該当するレコードを表示し、私が確認した後に顧客ランクを『B』へ更新してください。」
▼「レコード更新」の確認画面

AIが取得したレコードを確認し、対象に間違いがなければ更新を実行します。

このように、対象レコードの確認と実際の更新を分けて指示することで、誤ったレコードを変更するリスクを減らせます。
なお、レコードの追加・更新を実行すると、実際のkintoneデータが変更されます。初めてMCPを利用する場合は、いきなり本番アプリで操作するのではなく、検証用アプリやテストレコードで動作を確認してから本番運用へ移行することをおすすめします。
レコードの削除
kintone MCPサーバーでは、レコードの削除も実行できます。ただし、削除は既存のデータを失う可能性があるため、追加や更新以上に慎重な操作が必要です。
AIへ削除を依頼する場合は、どのアプリの、どの条件に一致するレコードを削除するのかを明確に指定しましょう。
たとえば、いきなり「テストデータを削除してください。」と依頼するのではなく、「案件管理アプリから、案件名に MCPテスト と入っているレコードを取得し、削除対象を一覧で表示してください。まだ削除はしないでください。」と依頼します。
AIによるレコード操作では、「対象の取得・確認」と「実際のデータ変更」を分けることで、安全性を高められます。特に削除操作については、必要に応じて事前にバックアップを取得しておくとよいでしょう。
【活用事例】MCPでシフト表を作成する方法
ここまでご紹介したレコード操作を応用すると、AIを利用して複数の情報を参照しながら、実際の業務を進めることもできます。
今回は、具体的な例として「シフト表の作成」を取り上げます。
シフト作成では、スタッフごとの雇用条件や勤務可能日、有給休暇、必要人数など、複数の情報を確認しながら勤務日を調整しなければなりません。これらの情報がGoogleカレンダーやExcel、kintoneなどに分散している場合、担当者はそれぞれの情報を確認し、手作業でシフト表へ反映する必要があります。
そこで今回は、以下のようにサービスの役割を分けた構成を考えます。
kintone:従業員ごとの基本情報・勤務条件を管理する
Googleカレンダー:有給休暇や外出予定、勤務不可日を管理する
AI(Claude):それぞれの情報を取得し、条件に沿ったシフト案を作成する
kintone:確定したシフトをレコードとして登録する
AIクライアントからkintone MCP ServerとGoogleカレンダーの両方を利用できるようにすれば、複数の情報源を参照しながらシフト案を作成できます。
ここからは、実際の流れを4つのステップに分けて解説します。
Step1:シフト希望・勤務条件をGoogleカレンダー・従業員マスタから取得
はじめに、シフト作成に必要な情報を準備します。
今回の例では、Googleカレンダーとkintoneの「従業員マスタ」アプリを利用します。
▼プロンプトの例

Googleカレンダー
ClaudeからGoogleカレンダーの予定を取得するためには、Googleカレンダーとの接続設定が必要です。ClaudeではGoogleカレンダーとの連携機能が提供されているため、利用可能な環境で接続設定を行います。
Googleカレンダーには、有給休暇や外出予定、勤務不可日など、日によって変わる情報を登録しておきます。
たとえば、スタッフが火曜日と土曜日に休暇を予定している場合、その予定をカレンダーへ登録しておけば、AIがシフト案を作成する際の判断材料として利用できます。
▼火曜日・土曜日に休暇を設定している例

なお、AIから取得できるのは、接続したGoogleアカウントで閲覧できる予定です。複数スタッフの予定を参照する場合は、必要なカレンダーの共有設定やアクセス権を事前に確認してください。
kintoneの従業員マスタ
一方、kintoneの従業員マスタでは、比較的変更頻度の低い勤務条件を管理します。
たとえば、以下のようなフィールドです。
氏名
雇用形態
保有資格
休暇曜日
週の上限勤務時間

雇用条件や資格などを従業員マスタへ登録しておけば、シフトを作成するたびに担当者が条件を確認して入力する必要がなくなります。
このように、日々変わる予定はGoogleカレンダー、従業員ごとの基本条件はkintoneと管理する情報を分けることで、それぞれのサービスで更新された内容をAIが参照できる構成になります。
Step2:AIにシフト作成条件を指示する
必要な情報をAIから取得できるようになったら、シフト案の作成を指示します。
このとき、「来週のシフトを作ってください」とだけ伝えるのではなく、対象期間や営業時間、必要人数、各スタッフの勤務条件などを具体的に指定します。
▼シフト作成のプロンプト例
10月12日(月)から10月18日(日)までのシフト案を作成してください。条件は以下です。
・kintoneの「従業員マスタ」アプリから各スタッフの勤務条件を取得する
・Googleカレンダーから各スタッフの有給・勤務不可予定を確認する
・営業時間は9:00〜18:00
・常時2名以上を配置する
・週の上限勤務時間を超えない
・勤務不可予定と重複させない
まずはkintoneへの登録は行わず、作成したシフト案を表形式で表示してください。
最初からkintoneへレコードを登録させず、まずはシフト案を表示させることがポイントです。
Step3:AIが作成したシフト案を確認・調整
AIがシフト案を作成したら、担当者が内容を確認します。
特に確認しておきたいのは、以下のような項目です。
各時間帯で必要人数を満たしているか
特定のスタッフへ勤務が偏っていないか
休日や勤務時間の条件を満たしているか
各スタッフの資格や担当可能業務を考慮できているか
最新の休暇予定が反映されているか
▼シフトの出力結果

修正したい箇所があれば、AIへ追加で指示します。
具体的には、「山田さんの火曜日を休みにしてください。代わりに勤務条件を満たすスタッフを配置してください。」と指示すれば、作成済みのシフト案をもとに再調整できます。
担当者が毎回シフト表を最初から作り直す必要がなく、変更したい条件を文章で伝えながら調整できる点は、対話型AIを利用するメリットの一つです。ただし、AIが作成したシフト案について、勤務時間や休憩時間、休日などの条件が必ず正しく反映されるとは限りません。労働関係法令や社内の勤務ルールを満たしているかについても、担当者が最終確認する必要があります。
Step4:確定したシフトをkintoneのレコードへ反映
シフト案の確認・調整が完了したら、確定した内容をkintoneへ登録します。AIへ「このシフト案をkintoneの『シフト管理』アプリへ登録してください。」と指示します。

kintone MCP Serverが利用できる状態であれば、AIがレコード追加ツールを呼び出し、シフト管理アプリへデータを登録します。

これまで、[各スタッフの予定確認 → 勤務条件の確認 → シフト作成 → kintoneへの転記]という流れで作業していた場合、最後のkintoneへの転記までAIから実行できるようになります。
特にスタッフ数が多く、複数の勤務条件を確認する必要がある場合には、担当者が情報を探したり、作成したシフトを手作業で登録したりする負担を減らせます。
MCP活用時の注意点
MCPを利用すると、AIへの指示からkintoneのレコードを取得したり、実際にデータを変更したりできます。その一方で、AIへ外部サービスの操作権限を与えることになるため、導入時には権限設定や運用方法を整理しておく必要があります。
ここでは、特に注意したい4つのポイントをご紹介します。
注意点①:AIに付与する権限を最小限にする
最初に確認したいのが、AIから操作できるkintoneアプリと、その権限の範囲です。
たとえば、今回のようにシフト管理アプリへシフトを登録する用途であれば、AIから顧客管理や請求管理などのアプリまで操作できる必要はありません。
APIトークンを利用する場合は、対象アプリを限定したうえで、「閲覧」「追加」「編集」「削除」など、必要な権限だけを付与します。特に削除権限は、誤った操作によってデータが失われる可能性があるため、実際の業務で必要な場合に限って付与することをおすすめします。
また、kintone MCP Serverに直接接続する方法のほか、AIとkintoneの間に別のサービスを設け、操作可能な機能を制御する方法もあります。
たとえば、アールスリーインスティテュートが提供する「gusuku Fluxon」のような、AIと業務システムの連携を扱うサービスも選択肢の一つです。
注意点②:AIの出力を確認してからデータを更新する
AIによるレコード操作では、対象レコードを誤って判断したり、意図した内容と異なるデータを作成したりする可能性があります。
そのため、レコードの追加・更新・削除を行う場合は、実行前に内容を確認する工程を設けることをおすすめします。今回のシフト作成であれば、[シフト案を作成 → 担当者が確認 → 確定した内容をkintoneへ登録]という流れです。
既存レコードの更新や削除についても同様に、まず対象データを検索し、変更内容や対象件数を確認してから実行することで、誤操作のリスクを減らせます。
注意点③:重複登録・上書きに注意する
MCPを利用してレコードを登録する場合、同じ指示を繰り返すと、同じ内容のレコードが重複して登録される可能性があります。また、既存レコードを更新する処理では、対象の特定を誤ると、意図しないレコードを上書きしてしまうこともあります。
たとえば、シフト管理アプリへ登録する際には、「同じ日付・同じ従業員のシフトがすでに登録されている場合は、新規登録せず、対象レコードを表示して確認してください。」と指示する方法があります。
ただし、AIへの指示だけで重複登録を完全に防げるわけではありません。
kintone側でも、社員番号やシフト管理番号など、対象レコードを特定するためのフィールドを整備しておくと、確認や更新がしやすくなります。必要に応じて、kintoneの重複禁止設定や、登録前の重複チェックを行う仕組みも検討しましょう。
注意点④:機密情報の取り扱いを確認する
MCPを利用する場合は、kintone側のアクセス権に加えて、接続先のAIサービスでデータがどのように扱われるかも確認する必要があります。
kintoneには、顧客情報や従業員情報、契約情報など、社外へ公開できないデータが登録されていることもあります。特に、個人情報・給与情報・人事評価などを管理するアプリと接続する場合は、社内のセキュリティポリシーやAI利用ガイドラインに沿った運用が必要です。
AIサービスの利用プランや設定によってデータの取り扱いが異なる場合もあるため、利用前に各サービスの規約やセキュリティに関する説明を確認しましょう。
便利だからという理由だけで広い権限をAIへ与えるのではなく、「AIにどの情報を参照させ、どの操作まで許可するのか」を業務ごとに決めておくことが重要です。
まとめ
本記事では、kintone公式MCPサーバーの仕組みや設定方法、AIからレコードを操作する方法について解説しました。
MCPサーバーを利用すると、ClaudeなどのAIからkintoneのレコードを検索・取得したり、追加・更新・削除したりできます。これまでkintoneの画面上で手作業で行っていた操作を、AIへの自然言語による指示から実行できるようになります。
また、今回ご紹介したシフト作成のように、Googleカレンダーなどの外部サービスと組み合わせることで、複数の情報源を参照しながら業務を進めることも可能です。
一方で、AIが実際のデータを変更できるため、操作権限の設定や実行前の確認、重複登録・誤更新を防ぐための運用設計は欠かせません。まずは検証用アプリでレコードの取得や登録を試し、AIに任せられる範囲を確認してから、本番業務への利用を検討するとよいでしょう。
kintoneへのデータ入力や更新、複数サービスの情報確認に手間がかかっている場合は、MCPを活用した業務改善を検討してみてください。
kintone×MCPを活用した業務改善ならルーブピークへ
Lubepeak株式会社では、kintoneの導入支援から、プラグインや外部サービスを組み合わせた業務システムの構築まで対応しています。
「kintoneへのデータ入力・更新を自動化したい」「生成AIとkintoneを連携させて、複数の業務を効率化したい」といったご要望に合わせて、既存のアプリ構成や業務フローを踏まえた実現方法をご提案します。
kintoneと生成AIの連携や、MCPを活用した業務改善をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
Lubepeak株式会社 代表
平井 将吾

~ 経歴 ~
2021年
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社へ新卒入社2022年~2025年
官公庁において、「kintone」の導入で「自治体DX」を多数支援2025年10月~
Lubepeak株式会社を設立。
中小企業のお客様を対象に「kintone」の導入支援を行い、要件整理から運用定着まで一貫支援2026年1月
Lubepeak株式会社が「サイボウズコンサルティングパートナー」に認定2026年6月
Lubepeak株式会社が「サイボウズプロダクトパートナー」に認定2026年10月
kintone連携チャットツール「ChatCrew」をリリース

サイト運営者
kintone定額開発サービス
当社では、kintone開発を定額制で行うサービスを提供しています。
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