投稿日:2026年6月24日
更新日:2026年6月24日
kintone基本機能でできるアプリ間データ連携の全手法を解説

同じ情報を複数のkintoneアプリで使いたいものの、どの機能を使えばよいか分からない。
ルックアップ、アプリアクション、関連レコードの違いが整理できていない。
運用を始めてから「やっぱり別の連携方法にすればよかった」と後悔したくない。
―――kintoneアプリ同士のデータ連携を考える中で、このようなお悩みはありませんか?
kintone(キントーン)には、「ルックアップ」「アプリアクション」「関連レコード」といった、アプリ間でデータを活用するための機能が用意されています。
一方で、それぞれの機能は似ているようで役割が異なります。
使い分けを誤ると、データの重複や更新漏れ、運用後の手戻りにつながることもあります。
本記事では、kintoneの基本機能でできるアプリ間データ連携について、ルックアップ・アプリアクション・関連レコードの仕組みや違い、向いている場面、設計時の注意点を具体例を交えながら解説します。
読み終えるころには、「このケースならこの連携機能を使おう」と判断しやすくなりますので、ぜひ最後までご覧ください。
- kintoneのアプリ間データ連携とは
- ルックアップ:マスタ参照に向いた「値のコピー」
- ルックアップが向いているシーン
- ルックアップの注意点
- アプリアクション:次のアプリへ「レコードを引き継ぐ」
- アプリアクションでできること
- アプリアクションが向いているシーン
- アプリアクションの注意点
- 関連レコード:別アプリの「一覧を見せる」
- 関連レコードでできること
- 関連レコードが向いているシーン
- 関連レコードの注意点
- ルックアップ・アプリアクション・関連レコードの違いを整理する
- 「いつ」「どこまで」連携したいかで選ぶ
- よくある業務シナリオ別の使い方
- アプリ間連携を設計するときの注意点
- 「情報の所在」を明確にする
- ルックアップと自動同期の使い分け
- マスタには、一意なIDを用意する
- まとめ
- kintoneのシステム設計ならルーブピークへ
kintoneのアプリ間データ連携とは
ルックアップ:マスタ参照に向いた「値のコピー」
ルックアップは、別アプリのレコードから必要な項目を選んで、操作しているアプリのフィールドへ値をコピーする機能です。

顧客マスタから顧客名や住所を引き込む、商品マスタから商品名や単価を引き込む、といった使い方に向いています。
コピーされた後の値は、元アプリを書き換えても自動では更新されないため、「登録時点のスナップショット」を残したいときに相性が良いです。
ルックアップが向いているシーン
ルックアップは、他アプリで管理しているマスタ情報を参照し、必要な項目を現在のレコードにコピーして利用したい場面に向いています。
次のように、同じ情報の重複管理を減らしつつ、入力時点の値をそのまま記録しておきたい運用に適しています。
受注時点の顧客名・住所・単価などを、その時点のまま記録しておきたい場合
同じマスタ情報を複数アプリから参照したいが、編集はマスタ側だけに集約したい場合
ExcelのVLOOKUPのようなイメージで、必要な項目を必要なタイミングでコピーしたい場合
ルックアップの注意点
ルックアップを利用するときの注意点としては、次のような点に留意する必要があります。
元アプリを更新しても、ルックアップ先は自動更新されません(再取得操作が必要です)。
コピーされるのは値のみで、レコードの紐付け関係を追跡する用途には向きません。
マスタ側のキー(顧客コードなど)が変わると再取得が難しくなるため、キーの設計もあわせて考えることが重要です。
一方で「ルックアップ自動更新プラグイン」を活用することで、元アプリを更新してもルックアップ先が自動更新されない、という課題は解決できることがあります。
つまづいてしまった方は、下記のコラムもぜひ参考にしてみてください。
▼関連コラム
kintoneで「ルックアップ先」を自動で更新する方法とは?| ルックアップ自動更新プラグイン比較3選
アプリアクション:次のアプリへ「レコードを引き継ぐ」
アプリアクションでできること
アプリアクションは、あるアプリのレコードを基に、別アプリに新しいレコードを作成するための機能です。

ボタンを押すと、事前に設定したフィールドマッピングに従って、次のアプリに値をコピーした新規レコードが作られます。
「見積アプリ」から「受注アプリ」へ、「案件管理アプリ」から「活動記録アプリ」へ、といった業務フローの橋渡しに向いています。
アプリアクションが向いているシーン
アプリアクションは、登録済みのレコード情報をもとに、次の処理に必要なレコードを別アプリまたは同一アプリへ作成したい場面に向いています。
次のように、業務フローに沿ったデータ引き継ぎや、入力作業の効率化、転記ミスの防止を図りたい場合に有効です。
業務のステップごとにアプリを分けており、前工程の情報を後工程へ引き継ぎたい場合
「このレコードを元に次の処理を始める」という操作を、ユーザーに分かりやすく提示したい場合
手入力を減らして、転記ミスを防ぎたい場合
アプリアクションの注意点
アプリアクションを利用するときの注意点としては、次のような点に留意する必要があります。
アクション実行時点で新しいレコードが作られるため、その後の変更は元レコードに自動反映されません。
あくまで「新規レコード作成のショートカット」であり、双方向の同期や更新には対応していません。
アクション経路が増えすぎるとユーザーが迷いやすくなるため、ボタンの数や命名を絞ることも大切です。
関連レコード:別アプリの「一覧を見せる」
関連レコードでできること
関連レコードは、現在開いているレコードの値を条件にして、別アプリのレコード一覧を紐付けて表示する機能です。

たとえば、顧客アプリの1レコードの中に、その顧客に紐づく案件や問い合わせ履歴の一覧を表示できます。
情報はコピーされず、常に元アプリ側の最新状態が参照されるため、「履歴を一覧で俯瞰する」用途に向いています。
関連レコードが向いているシーン
関連レコード一覧を使うと、顧客や案件など共通のキー項目をもとに、別アプリのレコードを自動的にひも付けて一覧表示できます。
次のように『1つの軸に対して複数の関連レコードをまとめて確認したい場面』で特に効果を発揮します。
顧客単位で、関連する案件・問い合わせ・見積などをまとめて見たい場合
プロジェクト単位で、タスクアプリやコメントアプリの情報を一覧表示したい場合
「1つの軸(顧客・案件など)に紐づく複数レコード」を集約して見せたい場合
関連レコードの注意点
関連レコードを利用するときの注意点としては、次のような点に留意する必要があります。
関連レコードは「表示のみ」のため、その場で一括編集する機能はありません。
関連レコードはCSVとしてレコードデータを出力できません。
キーとなるフィールド(顧客コードなど)の管理が曖昧だと、紐付けが崩れてしまうリスクがあります。
ルックアップ・アプリアクション・関連レコードの違いを整理する
「いつ」「どこまで」連携したいかで選ぶ
kintoneで「別アプリの情報をどう扱うか」を考えるときは、まず役割の違いを押さえておくと分かりやすくなります。
その上で、次の3つを「コピー」「引き継ぎ」「一覧表示」という観点で使い分けるイメージです。
ルックアップ:
必要なタイミングで、別アプリから項目を「コピー」する。同一アプリからのコピーは不可。アプリアクション:
レコードを別のアプリまたは、別アプリまたは同一アプリに新しいレコードを作成し、情報を「引き継ぐ」ための新規作成ショートカット。関連レコード:
1つの軸(顧客・案件など)に紐づく、別アプリまたは同一アプリのレコードを「一覧表示」する。
この3つを、「コピー」「引き継ぎ」「一覧表示」という役割で捉えると選びやすくなります。
よくある業務シナリオ別の使い方
たとえば、実際の業務シナリオをイメージしながら「どこでどの機能を使うか」をセットで示しておくと、関係者にも伝わりやすくなります。
以下のように、顧客マスタを起点にした典型パターンを例として紹介できます。
顧客マスタ × 受注管理:
顧客情報はルックアップ、受注から請求へはアプリアクション。顧客単位で履歴を見たい:
顧客アプリに、案件や問い合わせを関連レコードで表示。

このように、「入力時のコピー(ルックアップ)」「工程間の引き継ぎ(アプリアクション)」「後から振り返る一覧表示(関連レコード)」という役割で組み合わせて使うと、運用イメージが具体化しやすくなります。
アプリ間連携を設計するときの注意点
「情報の所在」を明確にする
連携設計では、どの情報をどのマスタアプリで持つかを明確にすることが重要です。
これを決めないまま連携を増やすと、データの不整合や重複、修正漏れといったトラブルが発生しやすくなります。
たとえば、顧客情報を複数マスタで更新できる状態にしてしまうと、どのデータが正しいのか判断できず、
修正のたびに複数箇所を確認する必要が生じます。
ルックアップと自動同期の使い分け
ルックアップやアプリアクションは「コピー」や「引き継ぎ」であり、標準ではマスタアプリとの自動同期ができません。
一方、プラグインを利用することでルックアップ情報の自動同期ができるようになります。

出典:https://www.jbcc.co.jp/blog/column/attazoo-plus-plugin-05.html
どの情報はスナップショットとして固定し、どの情報は常に最新を見たいのかを決めたうえで、機能を選ぶと運用が安定します。
▼関連コラム
kintoneで「ルックアップ先」を自動で更新する方法とは?| ルックアップ自動更新プラグイン比較3選
マスタには、一意なIDを用意する
特にルックアップを利用するときに気を付けたいのが、顧客を「名前」だけで紐づけると、同姓同名のケースで別人の情報を混同するリスクがあることです。
一意な顧客IDをルックアップのキーにすることで、この混同を防げます。
まとめ
kintoneのアプリ間データ連携では、目的に応じて機能を使い分けることが重要です。
ルックアップは、別アプリの値を現在のレコードへコピーしたい場合に向いています。顧客情報や商品情報など、マスタ情報を参照しながら入力の手間を減らしたい場面で有効です。
アプリアクションは、あるレコードの情報をもとに、別アプリや同一アプリへ新しいレコードを作成したい場合に適しています。見積から受注、案件から活動記録など、業務フローに沿って情報を引き継ぎたいときに便利です。
関連レコードは、顧客や案件などの共通キーをもとに、関連するレコードを一覧で表示したい場合に活用できます。情報をコピーせず、別アプリの最新情報を確認したい場面に向いています。
ただし、どの機能も万能ではありません。
「値をコピーしたいのか」「次のレコードを作成したいのか」「関連情報を一覧で見たいのか」を整理したうえで、設計段階から使い分けを考えることが大切です。
kintoneのアプリ間連携は、最初の設計次第で運用のしやすさが大きく変わります。まずは小さな業務フローから整理し、自社に合った連携方法を検討していきましょう。
kintoneのシステム設計ならルーブピークへ
kintoneは基本機能だけでも柔軟にアプリを作成できますが、実際の業務に合わせて設計しようとすると、「どのアプリに情報を持たせるべきか」「どの機能で連携すべきか」「プラグインを使うべきか」といった判断が必要になります。
特に、ルックアップや関連レコード、アプリアクションを組み合わせたアプリ間連携では、設計を誤るとデータの重複や更新漏れ、運用負荷の増加につながることがあります。
Lubepeak株式会社では、kintoneの基本機能・プラグイン・運用ルールを踏まえたうえで、現場の業務に無理なくフィットするkintoneシステムをご提案しています。
「基本機能でどこまで対応できるか整理したい」「アプリ同士の連携設計に不安がある」「運用しやすいkintone環境を作りたい」といった段階からのご相談も可能です。
kintoneのアプリ設計やデータ連携でお悩みの方は、ぜひルーブピークへご相談ください。
Lubepeak株式会社 代表
平井 将吾

~ 経歴 ~
2021年
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社へ新卒入社2022年~2025年
官公庁において、「kintone」の導入で「自治体DX」を多数支援2025年10月~
Lubepeak株式会社を設立。
中小企業のお客様を対象に「kintone」の導入支援を行い、要件整理から運用定着まで一貫支援
<主なサービス>
・ kintone定額開発サービス 「KYOSOU」
・ kintoneプラグイン提供サービス 「Plugin to Peak」2026年1月
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Lubepeak株式会社が「サイボウズプロダクトパートナー」に認定


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