投稿日:2026年5月3日
更新日:2026年5月4日
kintoneで顧客管理をする方法|設計・構築の手順と失敗しないポイントを解説【5STEP】

顧客情報がExcelやスプレッドシートに分散しており、どれが最新かわからない…
案件の対応履歴が担当者ごとにバラバラで、引き継ぎがうまくいかない…
営業の進捗が見えず、気づいたときには対応が遅れてしまっている…
―――kintoneを運用する中で、このような課題を感じていませんか?
kintone(キントーン)は、顧客管理・案件管理・売上管理などの業務データを一元管理できる便利なツールです。現場の業務に合わせて柔軟にアプリを構築できる点が大きな強みです。
しかし一方で、「顧客管理アプリを作ったものの、現場で使われていない」といったケースも少なくありません。
というのも、顧客管理は単にアプリを作るだけではうまくいかず、「どのように設計するか」「どう運用するか」によって成果が大きく左右される領域だからです。
そこで本記事では、kintoneで顧客管理を行ううえで押さえておきたいポイントを、実務目線で整理していきます。
kintoneでどのような顧客管理が実現できるのかを踏まえつつ、現場で使われるアプリにするための考え方や、設計・運用でつまずきやすいポイントについて解説していきます。
kintoneで顧客管理はできる?
kintoneは、「顧客管理システム(CRM)」を専門としたツールではありませんが、業務に合わせた柔軟な設計ができるため、顧客管理システムとして活用されるケースは多いです。実際に、弊社も「顧客管理」に関するご相談を多くいただきます。
ここでは、kintoneで実現できる「顧客管理」について、代表的なメリットや機能を整理していきます。
顧客情報の一元管理
顧客情報を一箇所に集約することで、情報の分散を防ぎ、必要な情報にすぐアクセスできる状態を作ることができます。
例えば、Excel・スプレッドシート・メールなどで分散していた顧客情報を、kintoneの顧客管理アプリにまとめることで、「探したい情報がどこに何があるか分からない」という状況を解消できます。
さらに、絞り込み機能、検索AI、グラフ機能などを使うことで、「業種別の顧客」や「対応中の顧客」のような一覧(リスト)で抽出できるようになります。
単なる情報の保管ではなく、活用できる状態で管理することができる点が大きな特徴です。
▼関連事例はこちら

案件・商談・履歴の紐づけ管理
kintoneでは、顧客情報を起点に、案件や対応履歴を紐づけて管理することができます。
例えば、ひとつの顧客に対して複数の案件が進んでいる場合でも、それぞれの進捗や対応状況をまとめて把握することが可能です。
また、過去の問い合わせや商談履歴も一緒に管理しておくことで、「過去にどのような提案をしているか」「累計でどのくらいの取引があるか」といった情報もすぐに確認できます。
情報が関連付くことでで、担当者が変わってもスムーズに引き継ぎができ、対応の質を落とさずに運用しやすくなります。
営業活動の見える化
案件の進捗状況を一覧で把握できるようになるため、営業活動の属人化を防ぎやすくなります。
例えば、「見積提出済み」「商談中」「受注予定」といったステータスごとに案件を整理することで、全体の状況をひと目で把握できます。
その結果、停滞している案件やフォロー漏れにも気づきやすくなり、対応の優先順位も判断しやすくなります。
チームでのリアルタイム共有
kintoneはクラウドサービスのため、常に最新の情報をチームで共有できます。
例えば、営業担当が外出先から案件情報を更新すれば、その内容はすぐに社内へ反映されます。事務担当や管理者も同じ情報をリアルタイムで確認できるため、確認や連絡の手間が減ります。
また、コメント機能を使えば、顧客や案件ごとのやり取りをそのまま記録として残すことができます。メールや口頭でのやり取りに比べて履歴が追いやすく、後から状況を振り返る際にも役立ちます。

このように、情報共有のスピードと透明性が高まることで、チーム全体の業務効率向上につながります。
\ kintoneのプロが対応 /
kintoneで顧客管理を行うメリット・デメリット
kintoneは柔軟にアプリを構築できる反面、設計や運用の前提を押さえていないと、期待した効果が出にくくなることもあるツールです。
実際の現場でも、「アプリは作ったが入力されない」「結局Excelと二重管理になっている」といった状態になるケースは少なくありません。
メリット
大きなメリットの一つは、業務に合わせてアプリを設計できる点です。
既存のCRMでは、項目や業務フローが自社に完全には合わないこともありますが、kintoneであれば顧客管理の粒度や入力項目、一覧の持ち方まで業務に合わせて構築できます。
例えば、顧客管理といっても、名刺情報を中心に管理するのか、案件・見積・請求まで一連の業務をつなげて管理するのかで、必要な構成は大きく異なります。kintoneではこの違いを無理に一つにまとめる必要がなく、顧客・案件・履歴といった単位でアプリを分けて構築することが可能です。
さらに、アプリ同士を紐づけることで、「顧客ごとにどの案件が進んでいるか」「過去にどのような対応をしてきたか」といった情報をまとめて把握できるようになります。
実務では、「過去のやり取りが追えない」「担当者しか状況を把握していない」といった課題がよく発生しますが、こうした状態を仕組みとして解消できる点は大きなメリットです。
担当変更や引き継ぎの際にも、情報が蓄積されていることで対応品質を維持しやすくなります。
デメリット
一方で、設計を行わずに構築した場合、運用が崩れやすい点には注意が必要です。
特に多いのが、初期構築の段階で項目を増やしすぎてしまい、入力負担が高くなるケースです。その結果、現場で入力されなくなり、最新情報が更新されないまま放置されると、データの信頼性が下がり、使われなくなってしまいます。
また、アプリの乱立もよくある課題です。部門ごとに個別最適でアプリを作成した結果、同じ顧客情報が複数のアプリに存在し、「どの情報が正しいのか分からない」という状態になりがちです。
さらに、帳票出力のように業務上必要な機能については、基本機能だけでは対応しきれない場合があります。
例えば、請求書や見積書を実務で使用するフォーマットで出力する場合、「帳票出力プラグイン」の導入が前提になるケースも少なくありません。
▼「帳票出力プラグイン」に関する比較記事はこちら

kintoneは自由にアプリを作れる分、設計の考え方によって運用のしやすさが大きく変わります。実際に、「とりあえず作ってみたが使われなくなった」というケースも少なくありません。
そのため、機能だけで判断するのではなく、「誰が・どのタイミングで使うのか」といった運用をイメージしたうえで設計していくことが重要です。
\ kintoneのプロが対応 /
顧客管理アプリを設計・構築する方法【5STEP】
kintoneで顧客管理を構築する際は、「アプリを作る」ではなく、「業務を改善する」視点で進めることが重要です。
ここからは、失敗を防ぐための具体的な設計・構築ステップを解説します。
STEP1:現状の業務フローと課題を整理する
まず最初に行うべきなのは、「どのように顧客管理を行っているのか(行いたいのか)」を整理することです。
kintoneでアプリを作り始める前に、現状の業務フローを把握しておかないと、「とりあえず作ったが使われない」という状態になりやすくなります。

例えば、顧客情報がどこで管理されているのか、案件情報はどのタイミングで更新されているのか、営業担当はどのように進捗を把握しているのかといった流れを確認します。
あわせて、「どこで手間が発生しているのか」「どの作業が属人化しているのか」といった課題も洗い出しておくことが重要です。
この段階で業務の全体像と課題が整理できていないと、後工程でいくら設計を工夫しても、実運用とズレたシステムになってしまいます。
STEP2:アプリ構成を設計する
次に、整理した業務フローをもとに、「どのようなアプリ構成にするか」を考えます。
kintoneでは、1つのアプリに多くの情報を詰め込むこともできますが、入力者、入力タイミング、データ同士の関連性(カーディナリティ)などによって、それに適したアプリに分けて構築するケースが一般的です。
例えば、「顧客管理」「案件管理」「活動履歴」といった単位でアプリを分け、それぞれを紐づけて管理することで、情報の整理と拡張性の両立がしやすくなります。
一方で、アプリを分けすぎると管理が煩雑になるため、「どこまでを1つの単位として扱うか」のバランスが重要になります。
この段階では、「誰がどの情報を使うのか」という視点を持ちながら、無理のない構成を検討することがポイントです。
STEP3:フィールドを設計し、アプリを構築する
アプリ構成が決まったら、次に「フィールドの設計」と「アプリの構築」を行います。
kintoneでは、画面上でフィールドを配置していくことで、そのままアプリを作成できます。ここで意識すべきなのは、「入力される設計になっているか」という点です。
初期段階では項目を増やしたくなりますが、入力負担が大きくなると現場で使われなくなる原因になります。まずは業務上必要な最低限の項目に絞ることが重要です。
kintoneは、後から項目の追加や変更ができるため、最初からすべてを網羅する必要はありません。運用しながら改善していく前提で構築していくことがポイントです。
STEP4:一覧や連携機能を設計し、実装する
アプリの構築ができたら、次に一覧や機能の設計を行います。
kintoneでは、一覧(ビュー)の作り方によって、日々の使いやすさが大きく変わります。例えば、「担当者別」「ステータス別」「優先度別」といった切り口で一覧を用意することで、現場の業務に合わせた見え方を実現できます。
また、顧客・案件・履歴といったアプリ同士の連携もこの段階で整理しておきます。ルックアップ機能や関連レコード一覧を活用することで、情報を紐づけて管理できるようになります。
さらに、業務上必要となる機能についても検討しておきます。例えば、請求書や見積書を扱う場合は、帳票出力プラグインの導入やフォーマットの整理が必要になるケースもあります。
重要なのは、機能を増やすことではなく、「業務の流れの中で自然に使える状態になっているか」という視点で設計・実装することです。
STEP5:運用開始と改善を繰り返す
最後に、運用ルールを明確にします。どれだけ設計されたアプリでも、「誰が・いつ・何を入力するのか」が決まっていなければ、運用は定着しません。
例えば、「案件はいつ登録するのか」「更新は誰が行うのか」「どの項目を必ず入力するのか」といったルールを整理しておくことで、入力漏れや運用のばらつきを防ぐことができます。
また、kintoneは後から柔軟に改善できるツールです。一度作って終わりではなく、実際に運用しながら見直しを行い、必要に応じて項目や構成を調整していくことが重要です。
現場の使い方に合わせて改善を繰り返していくことで、徐々に業務にフィットした仕組みへと育てていくことができます。
\ kintoneのプロが対応 /
まとめ
いかがでしたでしょうか?
kintoneで顧客管理を成功させるためには、「ツールとして何ができるか」ではなく、「実際の業務でどう使うか」を前提に設計することが重要です。
本記事で解説したように、現状の業務フローを整理し、アプリ構成や項目設計、一覧の見せ方、運用ルールまで一貫して考えることで、はじめて現場に定着する仕組みとなります。
kintoneは後から柔軟に改善できるツールだからこそ、最初から完璧を目指す必要はありません。まずは小さく構築し、実際に使いながら改善を繰り返していくことが、顧客管理を定着させる近道です。
自社の業務に合った形で、無理のない運用からスタートしてみてください。
kintone導入はルーブピークへ

kintoneは柔軟に業務を構築できる一方で、要件によっては基本機能だけでは対応が難しいケースもあります。
そのような場合は、無理に自社だけで解決しようとするのではなく、業務に合わせた設計や外部サービスの活用を検討することも一つの方法です。
Lubepeak株式会社では、kintoneの特性を踏まえた設計から開発・運用までを一貫してサポートし、小規模・中小企業の業務にフィットした仕組みづくりをご支援しています。
定額開発サービス「KYOSOU」では、小さな改善を積み重ねながら、無理のない形でkintone活用を進めていくことが可能です。
kintone定額開発サービス「KYOSOU」
kintoneの導入や運用にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
Lubepeak株式会社 代表
平井 将吾

~ 経歴 ~
2021年
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社へ新卒入社2022年~2025年
官公庁において、「kintone」の導入で「自治体DX」を多数支援2025年10月~
Lubepeak株式会社を設立。
中小企業のお客様を対象に「kintone」の導入支援を行い、要件整理から運用定着まで一貫支援
<主なサービス>
・ kintoneシステム開発サービス 「KYOSOU」
・ kintoneプラグイン提供サービス 「Plugin to Peak」2026年1月
Lubepeak株式会社が「サイボウズオフィシャルパートナー」に認定


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